<Header>
<Author: 杜甫>
<Title: 王閬州筵奉酬十一舅惜別之作>
<Format: 格式不明>
<Year: 1964>
<BookName: 唐詩選　上>
<Translator: 斎藤晌>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 王閬州の筵にて十一舅が惜別の作に酬ひ奉る>
<BookPage: 318-319>
<UsedPage: 2>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
萬壑樹聲滿，
千崖秋氣高。
浮舟出郡郭，
別酒寄江濤。
良會不復久，
此生何太勞。
窮愁但有骨，
羣盜尚如毛。
吾舅惜分手，
使君寒贈袍。
沙頭暮黃鴣，
失侶自哀號。
<End Poem>
<Translation>
谷という谷には落葉する木々の風音がひびき、崖のそそりたつところにはどこにも秋のつめたい氣が高く澄んでいる。わたしがここを立ち去るので、長官の好意で送別の宴が舟の上でもよおされた。閬州の町からこぎ出して、別れの盃をくみかわすも波の上。嘉陵江の水は滔々と流れている。こんな心あたたまる良會も、ほんのつかのまで別れなければならない。この世というものは、なんと苦勞が滿ち滿ちていることか。 わたしも長年の困窮と氣苦勞のために、やせ衰えて骨と皮というようなでいたらぐである。まだ天下には安史の殘黨がはびこり、各地には新手の叛亂が跡をたたず、吐蕃は國内にまで侵入してくるありさまで、旅に出るといっても決してのんきにかまえることはできない。叔父上も別れともない気持ちで「別れを惜しむ」詩を詠んでくださった。王長官からは、これから寒さに向かぅ季節なので、綿入れの上着を餞別におくられた。
ふと見わたせば、汀の砂のあたりに、夕ぐれどき、黄色い鶴が仲間はずれになって、たった一羽かなしそうに鳴いている。これから一人とりのこされるわが身によく似た姿ではないか。
<End Translation>
<Formatted Translation>
谷という谷には落葉する木々の風音がひびき、
崖のそそりたつところにはどこにも秋のつめたい氣が高く澄んでいる。
わたしがここを立ち去るので、長官の好意で送別の宴が舟の上でもよおされた。
閬州の町からこぎ出して、別れの盃をくみかわすも波の上。
嘉陵江の水は滔々と流れている。こんな心あたたまる良會も、ほんのつかのまで別れなければならない。
この世というものは、なんと苦勞が滿ち滿ちていることか。 
わたしも長年の困窮と氣苦勞のために、やせ衰えて骨と皮というようなでいたらぐである。
まだ天下には安史の殘黨がはびこり、各地には新手の叛亂が跡をたたず、吐蕃は國内にまで侵入してくるありさまで、旅に出るといっても決してのんきにかまえることはできない。
叔父上も別れともない気持ちで「別れを惜しむ」詩を詠んでくださった。王長官からは、これから寒さに向かぅ季節なので、綿入れの上着を餞別におくられた。
ふと見わたせば、汀の砂のあたりに、夕ぐれどき、黄色い鶴が仲間はずれになって、たった一羽かなしそうに鳴いている。
これから一人とりのこされるわが身によく似た姿ではないか。
<End Formatted Translation>